ちょっぴり小粋で低身長で、惚けた男だった
最少、彼は往年の日活映画みたいな短髪髪型をして、へこんだ薄っぺらな学生カバンを肩にのっけて現れた
ヨレヨレの学生服は第二ボタンまで矧がれている
馬券を売ってるってここですか?
栄養失調セーガクが何を言いやがるとこっちは顔がこわばった
味噌っ歯を覗かせて、躰は斜めに店に入ってきた
「惚けた」(ぼけた)の意味 わざと知らないふりをする、しらばくれる 例:「肝心な点になると惚ける」 年を取って、物事を理解する能力が鈍くなる 例:「年とともに惚けてきた」 ぼんやりしている、上の空である 例:「ぼけっとした顔つき」「惚けたように上の空で話を聞く」 漫才などで、おもしろおかしくとぼけたことを言う役割 文脈からどちらの意味で使われているか判断する必要があります。例えば、人や物事の様子を表現する場合は「ぼんやりしている」という意味が近いですが、会話の中で使われている場合は「しらばくれる」という意味の場合が考えられます。
毎日、配当を受け取りに来た
小銭をカウンターに並べてる
合計がちっともあわない
算数が苦手のようだ
ワイドは当たると小銭が増える
カツアゲで稼いだ金を全部、覚え立ての拡大三連複につぎ込んでるので、全部返そうと思った
坊主、のみに連れてってやるよ
光線がチカチカする店内で、彼は怯えたように入口で佇む
ソファーに腰掛けしばらく、目が慣れてくると独りの女を凝視している
的確に槍マンを見抜いている
連れてったスナックの女に惚れて
バラでもおくればとの冷やかしにのった
そそのかされて本当にプレゼントしたときはみんなで大笑いだ
ためた小銭をいっぱい花屋に持ち込み
この女にプレゼント
店で、人気はあるが、小太りで、ピアノを弾く痩せた若ヤクザが出所するのを待っていると噂があったんで、させてもらって、さっさと手を引いた
一発やらせてやってくれと、頼みにゆくことはしてやった
女は初めてだから、是非頼む
見栄形は差し置き、フィーリングがあえはいいんだろ
若すぎて恋愛の対象にならないわ、弟みたいだから
渋々承知かわからない
女はうんともすんとも言わず別の席にいった
しばらく季節がめぐりめぐった
ある日、出所したピアノ弾きとスナックの奥隅で、組長から差し入れられた五本のナポレオンを挟んで、コソコソやってたとき
俺を見かけて彼氏のトイレのスキに話しかけてきた
鼻を小粋にならして、
あんたより大きかったよ
やらせてくれて、ありがと
それに隅々まで行き届くわ
要するにあんたよりまめなのよ
きっと、いい男になるわ
男の品定め、今度も的確なんだろう
女の暗いトンネルをキョロキョロ、上も下も当たりをつけ、進駐を拒む雑草や泥はきちんと刈り削いでへこませ、ゆっくりじっくり突き進むということだろう?
女は笑った
岸野の最初の女になってあんたにまた勲章が増えたな
かもね
この小悪魔は男を凸凹だけで判断の根拠にしてるのを知っていたから話がわかりやすい
ことに及んでくたくたにされるという組長も含めて、店中の男を喰ってきたから、貫禄に溢れたお言葉である
「ワイド (wide)」は**「幅が広い」「広範囲にわたる」**といった意味を持つ言葉です。文脈によって様々な意味合いで使われます。